No.06 メンタルトレーニング(5) =冷静さ・自分をたくましく励ます=
 あわてると、目の前にあることを冷静に考えることができない。不安が先に立ち、判断しようとしても冷静な判断ができなくなる。このような状態に陥らないために、「動揺」するとは、どんなことか理解しましょう。

 動揺してあわてふためくことをフリークアウトといい、この状態は、例えばPK戦でこのキックで勝敗が決するというとき、経験したことがあると思います。フリークアウトには、次の3要素があります。

【過去への後悔】

 プレーしている「今」だけに心を絞り込んでおけば何もないというのに、あえて昔の悪いプレーを思い出してしまう。「この前もこの場面で負けた、また負けるかもしれない」と考える。「自分はなんて下手なんだろう」「自分は下手だ」と次第に過去の思い出を現在に重ねてしまう。

 過去に注意を注ぎ余分なエネルギーを費やし、その分だけ現実への対処はおろそかになる。「今」はどうすることもできない対象への不安や悩みであり、後悔すればするほど現実は悪くなる。

【将来への不安】

 試合においては、土壇場でかかってくる「精神的プレッシャー」という状態である。「ひょっとしたら、負けるかもしれない」「負けたらどうしよう」「友達はなんて言うだろうか」「コーチからしかられるかもしれない」という心理が、現実への集中を大きく妨げている。

【現実への嫌悪】

 サッカーでいえば、強い風、冷たい雨、強い日差しの日の試合や、相手チームのコーチの耳ざわりな指示など、ごく普通に挙げられる「ああいやだ」という感情である。風なら相手に不利になることだってある。風が吹くことは、「不愉快だ」と感じる直接的な原因ではない。それは自分の心の中から沸き起こるものである。

 うまくいったプレーからうれしさや、満足を引き出し、ミスをしても過度に動揺しないようにしよう。

 あなたをたくましく励ますのは、あなた自身です。